2015年9月20日日曜日

オペラ公演

群馬交響楽団創立70周年記念オペラ「蝶々夫人」桐生公演に行ってきました。

「蝶々夫人」以外のDVDは、いろいろ持っていますが、「生オペラ」は初体験! 前から5列目のチケットがとれまして、視覚的にも美しい舞台を堪能出来ました。

「蝶々夫人」は、唯一の日本が舞台のオペラですから、前々から興味は有ったのですが、明治37年(1904年)に初演された外国人の作品(アメリカ人の短編小説を、アメリカ人が戯曲化し、イタリア人のプッチーニが作曲)です。本当の日本人の姿、日本文化を描き切れていなくて、偏見に満ちた表現になっていれば、とても、楽しめたものではありませんから、DVDなどを買って鑑賞することは、敬遠しておりました。
だってね、蝶々夫人のイメージとはかけ離れた体型の外国人歌手が、日本人の管理人が見ると、だらしなさそうに着て主役を務めていたりしていると、見る気にはなりませんわ。

・・・と言ったイメージを管理人が持っていた「蝶々夫人」ですが、やはり 日本人が見て違和感を持つ台詞や風俗があったようです。
オペラ歌手の岡村喬生さんが、台詞の誤認箇所の一部を訂正し、風俗も時代に合わせ、自らの演出による「蝶々夫人」を2011年のプッチーニフェスティバルで上演して、大きな反響を呼んだそうです。
その後、「完全改訂版」の上演を計画したところ、原作者(プッチーニ)の著作権継承者からの強い反対にあい、見送りとなったそうです。
蝶々夫人の原作の誤認や誤解が、現実の日本と混同されて、現在も世界に拡散されていることが、一番の問題とされています。

今回のオペラも、岡村さんが演出されましたので、プログラムには詳しい解説がついておりました。
衣装につきましては、もちろん海外での誤りは正され、立派な衣装でしたが、台詞(歌詞)はイタリア語ですから、字幕で確認するわけですが、なるほどこれは変!というのがわかりましたね。
蝶々さんは、町人ではなく武家の娘という設定ですから、その視点から見て、あり得ないでしょと感じた台詞もありました。

群響の演奏も出演者の歌唱も、衣装もステージも素晴らしかったですが、自分の長年のイメージが解説で裏付けされ、さらに字幕で確認されてしまったため、覚めた鑑賞になってしまいました。
日本人が、心から楽しめるような歌詞になって欲しいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿