2014年5月21日水曜日

オカリーナは洗ってはいけないの?

オカリーナ愛好者が必ず抱く古くて新しい疑問です。
「オカリナを洗っても良いか?」と尋ねると、「洗ってはいけない」と、たぶん先生に言われるらしいです。
しかし、なぜ洗ってはいけないのか その理由は説明して貰えないらしく、質問者は、内心納得していないようです。だから 管理人が聞かれます。 そりゃ、同じ陶器の皿、茶碗は毎日洗っていますからね(笑)

まさかオカリナを、練習の度に洗おうと思う人はいないと思いますが、洗いたくなる時もあると思います。そこで、洗って良いかと尋ねると、ダメと言われても、洗いたくなる事情が発生したから尋ねた訳で、理由を聞かせて貰えないと、納得出来ないのも、尤もでしょう。

オカリナは、基本的に洗えます。陶器ですから、洗えて当たり前なのです。
しかし、洗うとダメージを受ける可能性のあるオカリナがあるので、そういうオカリナを制作しているメーカー・制作者は、「洗ってはいけない、洗う事は厳禁!」 と言うわけです。

陶器(食器)もオカリナも、焼き物という点では同じです。最近のオカリナは、美しい色づけや柄付けがしてあり、マイセンのような凝ったものまで、登場しております。
一見して、オカリナも食器類と同じように色づけ柄づけしているように見えますが、果たして同じ行程を踏んで、片や食器となり、片や楽器として、売られているのでしょうか?

どちらも粘土で形を作り、素焼きという行程を踏みます。ここまでは一緒です。
次の行程として、食器は釉薬をかけて、もう一度焼成窯に入り高音で焼き上げ(本焼き)られます。
高音で溶けた釉薬は、先の素焼きした部分と一体になり焼き上がるのです。
食器の色が落ちる事は有りませんし、粘土部分と釉薬部分の境目で、はがれる事はありません。

オカリナも、一部に二度焼き(本焼き)をしている物も有りますが、普通のオカリナは、二度焼きは致しません。
高温で本焼きを致しますと、堅く焼き締まり、丈夫にはなりますが、ウィンドウェイが結露しがちとなり、長時間の演奏に耐えられなくなるからです。

通常、素焼きだけで、焼成行程は終わります。色づけ柄づけは、この素焼きしたものに、塗料等を塗っているわけです。
塗料の上から、さらに色落ちを防ぎ光沢を出すために、ニスをぬったり・・・食器や食品用のコーティング剤を塗ったりと、メーカー・制作者によって、様々なものが塗られているようです。

でも、お顔の表面に塗ったお化粧が落ちるのと同様、ニスのように中まで浸透する物でない限り、表面に塗ったものは落ちますし、はがれる可能性が有ります。
落ちる主な原因としては、摩擦、衝撃、温度変化、湿度変化が上げられます。
もし、そういうオカリーナを水洗いした場合、塗料と素焼きオカリナの隙間に水分が進入したら、はがれ落ちる原因になります。だから、「洗ってはいけない」 と言われるのです。

素焼きのまま、表面になにも塗っていないオカリーナは、洗ってもはがれる心配がありませんから、洗う事は問題ないです。
ただし、丁寧に扱いませんと、もし、歌口を壊したりした場合、音が出なくなりますので、洗うときは細心の注意を払って、かつ手早く行って下さい。これは、ホームページに書いてあります、こちらも、ご参照ください。 Q-7です。 http://www2.wind.ne.jp/ocarina/one/nyumon.html

下記は、管理人自作のオカリーナ凜 唯一 実験的に表面加工を施したものです。 つやっつやピカピカで美しくなりましたが、矢印部分に、「はがれ」 が生じているのがわかりますか?


アップしたのが下の写真です。
あまり使用しておりませんので、この程度ですが、愛用しますと、トーンホール回りからはがれてくると思います。洗ったりこすったりすれば、なおさら・・・ね。
管理人は制作者ですから、もう一度 加工し直し、塗り直しを行えば済む事ですが、皆さんは、そんな事はお出来になれませんね。


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